書き下し文
李師古(りしこ)跋扈(ばっこ)するも、杜黄裳(とこうしょう)が相(しょう)
たるを憚(はばか)り、未だ敢(あえ)て礼を失わず。
一幹吏(かんり)に命じて、錢(ぜに)数千縄(じょう)幷(ならび)に
氈車子(せんしやし)一乗を寄す。
使者未だ敢へて遽(にわか)に送らず、宅門に於て伺候すること累日。
緑輿(りょくよ)の出づる有り。
従婢(じゅうひ)二人、衣(せいい)繿縷(らんる)なり。
言ふ、是れ相公(しょうこう)の夫人なりと。
使者遽帰(きょき)して以て師古に告ぐ。
師古、其の謀を折り、終身敢へて節(せつ)を改めざりき。
現代語訳
李師古には謀反の動きがあったが、時の名相で一大国老として尊敬されていた
杜黄裳がいることをはばかり、礼を失するようなことはしなかった。
ある日有能な官吏に命じて錢数千縄と毛氈を敷いた乗り心地の
よい乗用車一台を寄付することにした。
使者はそれをそのまま送らず、しばらく宅門で様子をうかがい
三、四間その機を待っていた。
緑色の輿が出てきた、みると従う婢が二人、粗末な衣服を着ている。
誰かと聞くと、杜黄裳相公の夫人だという。
使者はあわてて帰って師古にその旨を告げた。
これによって師古はついに最後まで謀反を起こすことはなかった。
参考)
李師古は、地方総督から大臣までなり、唐の徳宋の崩御に乗じて叛意が
あったが、ついに果たさ無かった人物。
2026年02月11日
世説新語(李師古跋扈するも杜黄裳が相)
posted by 成功の道しるべ at 21:51| 世説新語
2026年01月30日
世説新語(傅茂遠は泊然靜処し、妄に交遊せず)
書き下し文
傅茂遠(ふもえん)は泊然靜処し、妄(みだり)に交遊せず。
袁司徒(えんしと)其の戸(と)を経る毎(ごと)に、
輒(すなわ)ち歎(たん)じて曰く、其の戸を経るに、
寂(せき)として人無きが如く。其の帷(い)を披(ひら)けば、
其の人斯(すなわ)ち在り。
豈(あ)に名賢に非ざるを得んや。
現代語訳
傅茂遠は静かで無欲恬淡(てんたん)としてみだりに交遊しない。
袁司徒はその家の前を通るごとに覗(のぞ)いてみると嘆息していった。
家の前を通るたびにひっそりとしてまるで人がいないようだ。
それで入って、カーテンを開けばてみれば傅茂遠はちゃんといらっしゃる。
こういう人こそ立派なできた人だというのだろう。
参考
傅茂遠-梁の賢者で学府と称されるほどの学者
傅茂遠(ふもえん)は泊然靜処し、妄(みだり)に交遊せず。
袁司徒(えんしと)其の戸(と)を経る毎(ごと)に、
輒(すなわ)ち歎(たん)じて曰く、其の戸を経るに、
寂(せき)として人無きが如く。其の帷(い)を披(ひら)けば、
其の人斯(すなわ)ち在り。
豈(あ)に名賢に非ざるを得んや。
現代語訳
傅茂遠は静かで無欲恬淡(てんたん)としてみだりに交遊しない。
袁司徒はその家の前を通るごとに覗(のぞ)いてみると嘆息していった。
家の前を通るたびにひっそりとしてまるで人がいないようだ。
それで入って、カーテンを開けばてみれば傅茂遠はちゃんといらっしゃる。
こういう人こそ立派なできた人だというのだろう。
参考
傅茂遠-梁の賢者で学府と称されるほどの学者
posted by 成功の道しるべ at 14:22| 世説新語
2026年01月24日
世説新語(謝玄暉は人才を奬むことを好む)
書き下し文
謝玄暉(しゃげんき)は人才を奬(すす)むことを好む。
会稽(かいけい)の孔(こうぎ)、麄(ほ)ぼ文筆有れど
未だ時人の爲めに知られず。
孔稚圭(ちけい)嘗(かつ)て讓表を草(そう)せしめて以て玄暉に示す。
玄暉、嗟歎(さたん)良(やや)久しうし、自ら簡を折って之を写し、
稚圭に語つて曰く、是(こ)の子、声名未だ立たず、
応(まさ)に共に奬成すべし。歯牙の余論を惜しむ無かれ。
現代語訳
謝玄暉は優れた人材を推奨することを好んだ。
浙江(せっこう)省の会稽の孔はほぼ文筆、文学、教養はあったが未だ当時の
人に知られていない。孔稚圭はかつてある人物の推薦状を書かせて玄暉に示した。
玄暉は実によくできていると感嘆し、自ら紙を折り畳んでこれを写し、稚圭に語つていう
この子はこれほどできるのに、名声はいまだ知られていない。
われわれ二人で大いに推奨して立派にしようじゃないか。
しょっちゅう口にだして推奨することを惜しまないと。
参考)
謝玄暉は六朝、南宋の人、詩文に長じ、宣城内史。
李白も尊敬した人。
謝玄暉(しゃげんき)は人才を奬(すす)むことを好む。
会稽(かいけい)の孔(こうぎ)、麄(ほ)ぼ文筆有れど
未だ時人の爲めに知られず。
孔稚圭(ちけい)嘗(かつ)て讓表を草(そう)せしめて以て玄暉に示す。
玄暉、嗟歎(さたん)良(やや)久しうし、自ら簡を折って之を写し、
稚圭に語つて曰く、是(こ)の子、声名未だ立たず、
応(まさ)に共に奬成すべし。歯牙の余論を惜しむ無かれ。
現代語訳
謝玄暉は優れた人材を推奨することを好んだ。
浙江(せっこう)省の会稽の孔はほぼ文筆、文学、教養はあったが未だ当時の
人に知られていない。孔稚圭はかつてある人物の推薦状を書かせて玄暉に示した。
玄暉は実によくできていると感嘆し、自ら紙を折り畳んでこれを写し、稚圭に語つていう
この子はこれほどできるのに、名声はいまだ知られていない。
われわれ二人で大いに推奨して立派にしようじゃないか。
しょっちゅう口にだして推奨することを惜しまないと。
参考)
謝玄暉は六朝、南宋の人、詩文に長じ、宣城内史。
李白も尊敬した人。
posted by 成功の道しるべ at 18:55| 世説新語
検索ボックス
