2026年02月25日

世説新語(羅可、性度寛宏なり)

書き下し文

羅可(らか)、性度寛宏(かんこう)なり。
嘗(かつ)て其の園蔬を窃(ひそか)に刈る者有り。
適々(たまたま)遇(あ)い見て却(かえ)って草間(そうかん)に
避けて以て其の去るを俟(ま)つ。
又其の鶏を攘(ぬす)み殺す者あり。
可、壺(こ)を携えて之に就いて曰く、
子と里閭(りりょ)を同じうし、鶏を煮て以て子を待つこと能わず。
我れ誠に自ら愧(は)づと。
其の妻孥(さいど)を呼び環坐(かんざ)し、醉(すい)を尽して帰る。
人是(こ)れよりて相誡(いまし)めて犯すなし。

現代語訳

羅可は性格は非常に穏やかでゆったりとしていた。
かつて彼の所有する園の野菜をひそかに刈る者がおり、たまたまそいつを見つけたが、
かえって草間に避けてそいつが去るのを待ってあえて咎めなかった。
また、鶏を盗んで殺した者があった。
その時、羅可は壺、つまり酒を一本持ってこれに就いていっていう。
君とは村里を同じくしている。
それなのに鶏を飼っていながら、君に御馳走してやることもなく,誠に恥ずかしい。
すまん。そしてそいつの妻子まで呼び丸く座って酒と鶏の会食を十分にして帰ってきた。
人々はこれを聞いて、自分を戒めてその後は盗みをしなくなった。

参考)この話は晋の時代の有名な詩から取ったもの。
posted by 成功の道しるべ at 21:43| 世説新語
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