2026年02月11日

世説新語(李師古跋扈するも杜黄裳が相)

書き下し文

李師古(りしこ)跋扈(ばっこ)するも、杜黄裳(とこうしょう)が相(しょう)
たるを憚(はばか)り、未だ敢(あえ)て礼を失わず。
一幹吏(かんり)に命じて、錢(ぜに)数千縄(じょう)幷(ならび)に
氈車子(せんしやし)一乗を寄す。
使者未だ敢へて遽(にわか)に送らず、宅門に於て伺候すること累日。
緑輿(りょくよ)の出づる有り。
従婢(じゅうひ)二人、��衣(せいい)繿縷(らんる)なり。
言ふ、是れ相公(しょうこう)の夫人なりと。
使者遽帰(きょき)して以て師古に告ぐ。
師古、其の謀を折り、終身敢へて節(せつ)を改めざりき。

現代語訳

李師古には謀反の動きがあったが、時の名相で一大国老として尊敬されていた
杜黄裳がいることをはばかり、礼を失するようなことはしなかった。
ある日有能な官吏に命じて錢数千縄と毛氈を敷いた乗り心地の
よい乗用車一台を寄付することにした。
使者はそれをそのまま送らず、しばらく宅門で様子をうかがい
三、四間その機を待っていた。
緑色の輿が出てきた、みると従う婢が二人、粗末な衣服を着ている。
誰かと聞くと、杜黄裳相公の夫人だという。
使者はあわてて帰って師古にその旨を告げた。
これによって師古はついに最後まで謀反を起こすことはなかった。

参考)
李師古は、地方総督から大臣までなり、唐の徳宋の崩御に乗じて叛意が
あったが、ついに果たさ無かった人物。
posted by 成功の道しるべ at 21:51| 世説新語
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