2025年12月02日

湘夢遺稿、下

原文
自惜娉婷宜遠嫌
軽心何事露眉尖
一重花影毬場近
無類狸奴場繍簾

書き下し文
自ら惜しみて娉婷(ヘいてい) 宜しく嫌(けん)に遠ざかるべし
軽心 何事ぞ 眉尖(びせん)に露(あら)わす
一重(いちょう)の花影 毬場(きゅうじょう)に近し
無類の狸奴(りど) 繍簾(しゅうれん)を揚(あ)ぐ

現代語訳
美しい女人は自重して、奥深く人目をさけていらっしゃるべきでしたのに
軽はずみにも、そのお顔をあらわしておしまいになりました。
ひとえに咲いた花影のように、女参宮は若い公達の蹴まりの場の、すぐ近くに
お立ちになっていたのです。
いたずらものの、唐猫が走りでて、ぬいとりのある御簾をはねあげられました。

意訳
艶やかな女性は、慎み深く、人目をさけていらっしゃるべきでした。
ところがその場の雰囲気にのまれて思わず、そのお顔をあらわしてしまいました。
清らかに咲いた花影のように、女参宮は若い公達の蹴まりの場の、
すぐ近くにお立ちになっていたのです。
お茶目な唐猫が走りついでに、ぬいとりのある御簾をはねあげました。
posted by 成功の道しるべ at 18:18| 江馬細香
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