原文
衆艶一時難併開
葵花忽被妒風摧
紅閨多少春宵夢
我愛空蝉蝉脱来
書き下し文
衆艶(しゅうえん) 一時に併せて開き難し
葵花(きか) 忽ち 妒風(とふう)を被(こうむ)りて摧(くだ)かる
紅閨(こうけい) 多少 春宵の夢
我は愛す 空蝉(うつせみ)の蝉脱(せんだつ)し来るを
現代語訳
光源氏のまわりで、多くの花々が時を同じくして咲くのは難しいことでした。
葵の花は別の花の嫉妬にあって、打ち砕けれておしまいになりました。
源氏に愛された女人達の閨では、どれだけ春の夜のはかない夢が
結ばれたことでしょう。
慎み賢明な空蝉が、薄衣を脱ぎ捨てて巧みに源氏の手から逃れたことを、
私は嬉しく思います。
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