細香女史の詩を読むと脳裏にその光景が浮かんで来る。
この詩は、在りし日の出会いを懐かしく思っている。
原文
当日相逢翰墨場
十年一夢鬢生霜
吟窓依旧炉煙静
展翫來詩親爇香
書き下し文
当日相い逢う翰墨場(かんぼくじょう)
十年一夢 鬢(びん) 霜(しも)を生ず
吟窓(ぎんそう) 旧に依りて 炉煙 静かなり
來詩(らいし)を展翫(てんがん)して 親しく香を爇(た)く
現代語訳
いつか詩文の会でお目にかかったことがございましたね。
あれから夢のような十年がすぎ、私の鬢に白髪がまじるようになりました。
けれども私の書物の窓辺は昔のままで、炉から煙が立ちどまります。
贈り下さったお作をくりかえし読み味わいながら、香をたいているのです。
参考
翰墨場
詩歌や書画をつくったり発表したりして楽しむ集まりの席。
また、その仲間。
細香は名古屋の書画会に度々出掛けている。
そんな折に出会ったのであろう。
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