2024年11月09日

湘夢遺稿、下

久しぶりに湘夢遺稿から

原文
爺繙欧蘭書
児読唐宋句
分此一灯光
源流各自泝
児倦思栗芋
爺読不知体
堪キ精神不及爺
爺歳八十眼無霧

書き下し文
爺は繙く欧蘭の書
児は読む唐宋の句
此の一灯の光を分かちて
源流各々自ら泝る
爺は読みて休むことを知らず
児は倦みて栗芋を思う
愧ずるに堪う精神 爺に及ばず
爺は歳八十 眼に霧なし

現代語訳
父はオランダ語の書物をひもといて、私は四角い文字の唐詩、宋詩を読んでいます。
真ん中に置いた一つの灯火の光を分け合って蘭学と漢詩とそれぞれの源へとたどっています。
父は休むことなく書物に没頭し、娘はあきてしまってお芋や栗がほしくなりました。
何とはずかしいことでしょう、私の精神は遠く父に及びません。
父は八十をすぎましたが、その眼はくもりなく物事を見ています。


参考
爺-細香の父江馬蘭斎をさす。
唐宋句-唐詩、宋詩、漢詩の古典である。
posted by 成功の道しるべ at 07:11| 江馬細香
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