湘夢遺稿、下より
原文
起下階徐夜看楓
一庭霜葉燭煙中
海棠春影応慚死
照出重重蜀錦紅
書き下し文
起ちて階徐を下りて夜楓を看る
一庭の霜葉 燭煙の中にあり
海棠の春影 応(まさ)に慚死すべし
照らし出す重重 蜀錦の紅
現代語訳
ふと窓から外を眺めると手招きされているようで
座敷から夜の庭におりて楓を見ました。
庭一面の楓は霜に逢ってさらに色合いを増し、
座敷から漏れ出る明かりに風情を感じます。
春を告げる艶やかな海棠も、さぞ口惜しがって
いることでしょう。
幽かな明かりに霜を帯びた楓は蜀錦の様に
幾重にも重なりあってこの上なく美しいのです。
海棠 - バラ科の落葉小高木
2024年06月29日
湘夢遺稿、下(江馬細香)
posted by 成功の道しるべ at 11:30| Comment(0)
| 江馬細香
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