2025年10月15日

呻吟語(勢利術言)

呻吟語-公道の四敵(呻吟語を読む/安岡正篤著から)

書き下し文
勢、利、術、言、この四つのものは公道の敵なり.
手を炙(あぶ)り熱す可(べ)ければ、即ち公道為に屈す。
賄賂潜(しそかに)に通ずれば、即ち公道為に屈す。
智功蔭(しそかに)に投ずれば、即ち公道為に屈す。
毀誉(きよ)肆(ほしいまま)に行はるれば、即ち公道為に屈す。
世の幸を冀(こいねが)ひ誣(ふ)を受くる者、啻(ただ)に金の五のみならざるなり。
慨す可かな。

現代語訳
権勢、利欲、智術、言論、この四つのものは、公人として実践しなければならない
道の敵である。手をあぶってちょっと相手の手をあたためてやることができると、
言い換えればこちらの熱望するところを相手に通ずることができると、
すぐ公道を屈してしまう。
袖の下、鼻ぐすりを利かせると、公道を曲げてしまう。
巧妙に知恵をこっそり働かせると、公道が屈してしまう。
そしったりほめたりすることが勝手に放題に行われると、
公道は引っ込んでしまう。慨す可かな。


posted by 成功の道しるべ at 22:34| 日記
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