2025年01月07日

呂氏春秋04(全生を上と為し)

書き下し文
全生(ぜんせい)を上(かみ)と為(な)し、虧生(きせい)を之(これ)に次、
死之に次ぎ、伯生(はくせい)を下(しも)と為(な)す。
所謂(いわゆる)全生とは六欲皆其(ろくよくみなそ)の宜(よろ)しきを得(う)るなり。
所謂虧生とは六欲皆其の宜(よろ)しきを分得(ぶんとく)するなり。
虧生は則(すなわ)ち其の之を尊ぶ者に於いて薄(うす)きなり。
所謂死とは以って知る所有る無く、その未生(みせい)に復(かえ)るなり。
所謂伯生とは六欲皆其の宜しきを得る莫(な)きなり。

現代語訳
生の理を全(まっと)うする全生を上となし、虧生は全生までいかないが、
その幾分かを掴んでいる状態。
死生は、人間の一生の順なので宿命として受け入れるしかない。
伯生は人間には欲を為す筋道があるのに、それを出来ない状態。

仏教では六欲を、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)によって生じる感覚や意識と言っている。
ここでは、好、悪、喜、怒、哀、楽、の六気のこと。
参考1)小生は上記、二者ともども含めて六欲でもいいのではないかと思っている。
参考2)生の理を全うするとは、六根によって生じる欲によって、真、美、善、の
    価値を充足している状態。

posted by 成功の道しるべ at 14:08| 呂氏春秋
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